2015年9月11日

歯を、そして全身を守るための"新しい予防歯科"

今までの予防歯科は「歯を守る」ことを目的としていました。しかし、これからの新しい予防歯科は「歯と身体を守る」ものです。

新しい予防歯科へ

皆さんは「パラダイムシフト」という言葉をご存知でしょうか。パラダイムシフトとは社会の通念が根底から変化することです。予防歯科は、今まさにパラダイムシフトを起こそうとしています。

これまでの予防歯科は、歯磨きや歯石取りを行うことでお口の中の健康を守ろうとしました。しかしこれからは、お口の中は当然のこととして、さらに全身疾患に対する治療・予防を目的としたメンテナンスを行わなければなりません。

新しい予防歯科へ

歯磨きや歯石取りの危険性

新しい予防歯科へ実は、歯磨きや歯石取りには、生命をも脅かす危険が潜んでいます。除菌ができていない状態で歯磨きやスケーリング(除石)を行うと、歯肉に傷がつきます。その傷からお口の中の歯垢(細菌の塊)が血管内に入り込むと、菌血症を起こしてしまいます。菌血症は動脈硬化を進行させ、さまざまな重篤な全身疾患の原因となります。

つまり、徹底的な除菌を行ってからでなければ、歯や歯肉に良いと思っている歯磨きや歯石取りが歯肉を傷つけ、全身疾患のリスクを高めてしまうのです。

歯磨きや歯石取りから全身疾患に至る仕組み
【1】正常な状態
人体は、外界と体内を皮膚(表皮)によって遮断されています。

【2】歯磨きや歯石取りによって傷ができる
歯磨きや歯石取りによって皮膚に傷がつくと、外界と体内を遮断しているバリヤー(表皮)がなくなり、細菌が侵入しやすくなります。

【3】菌血症
この傷から1日に数万個の細菌が血液中に入ります。この現象を菌血症と言います。

【4】アテローム性プラークに変化
細菌が全身の血管に入るとアテローム性プラーク(粥腫)に変化します。このアテローム性プラークが動脈硬化の原因となります。

【5】血栓ができて全身疾患に
アテローム性プラークによる動脈硬化が進行すると、突然プラークが破れて血管内に血液が溜まります。それが血栓となり、動脈の内側を塞ぎます。また、血栓が別の場所にも飛んで、脳梗塞や急性心筋梗塞を引き起こすこともあります。

【予防歯科のパラダイムシフト1】3DS療法による徹底的な除菌

新しい予防歯科へ大阪にある当院では、歯周病菌が口腔内の傷から血管内に侵入して全身疾患を引き起こす前に、お口の中を「3DS療法」によって徹底的に除菌します。3DS療法とはマウスピースを使い、薬剤で定期的に口腔内を消毒する歯周病予防プログラムです。

3DS療法によって血管内への細菌の侵入を食い止めることは、歯科医師にしかできないことです。大阪にある当院では、鶴見大学歯学部探索歯学講座の花田信弘教授に教えていただいた3DSテクニックをベースに、さらに経皮毒が身体に与える毒性や悪影響を考慮した安全な除菌剤を使用しています。

3DS療法の詳細はこちら 「3DS療法で徹底的に除菌」

【予防歯科のパラダイムシフト2】歯石取りの最適なタイミング

新しい予防歯科へこれまでの予防歯科では、歯石ができたタイミングでメンテナンスを行ってきました。もしそのタイミングで行うのならば、ご説明したように3DS療法による徹底的な除菌が必要です。

身体に安全で、痛くない、効率的な歯石取りの流れ
【STEP1】歯肉が腫れていて傷つきやすく、出血しやすい状態です。
次へ
【STEP2】3DS療法によって歯周病菌を除菌します。
次へ
【STEP3】除菌をすると歯肉の炎症がおさまり、歯肉が引き締まります。また、隠れていた歯石が歯肉の上に見えてくるので、歯石が取りやすくなります。さらに、歯石が乾いた泥のようになるので簡単に取れます。
次へ
【STEP4】歯石を取るとさらに歯肉が引き締まります。

【予防歯科のパラダイムシフト3】歯石は味方?

新しい予防歯科へネバネバした歯垢は見るからに汚そうで、毒性が高いです。そんな歯垢を石灰化させ、固めて歯石を作って毒性を落とすのは、身体の防衛反応なのです。新たな歯垢が歯周ポケットの奥に侵入するのを歯石がバリアーとなって防いでいるのです。

つまり、せっかく身体が防衛反応として作った歯石を除菌もせずに落とすことは、新たなネバネバした毒性の高い歯垢を歯周ポケットから血管内へ送り込む手助けをしていることになるのです。

健康面だけを考えると、除菌さえしていれば歯石が付着していてもそれほど問題ではありません。除菌後の歯石は邪魔者ではありますが、決して悪者ではありません。ネバネバした歯垢が悪者なのです。

【予防歯科のパラダイムシフト4】歯石になる前のメンテナンス

予防歯科のパラダイムシフト除菌を行わずにメンテンスを行うなら、歯石になる前に対処することが大切です。ポイントは、歯垢の入れ替えを行うつもりでメンテナンスに通うこと。3か月に一度の専門的ケアがお勧めです。

正常な歯の表面に歯石がつくまでの流れ
【1】正常な歯の表面
次へ
【2】歯の表面にペリクルという唾液の成分が付着します
次へ
【3】ペルクルの上に善玉菌が付着します
次へ
【4】善玉菌の上に悪玉菌が付着し、古い歯垢を形成します
   ※この段階でメンテナンスを行うのが理想です
次へ
【5】古い歯垢がバイオフィルムに覆われます
   ※遅くても、この段階でメンテナンスを行いましょう
次へ
【6】バイオフィルムに覆われた古い歯垢に、唾液中のカルシウムがリン酸カルシウム、炭酸カルシウムとして沈着し、歯石を形成します

わずかな噛み合わせのくるいが歯周組織に影響を与える

噛み合わせに異常を感じたからといって、安易に歯を削ってはいけません。身体の歪みや歯科金属が原因で噛み合わせがずれている可能性があります。

噛み合わせ改善

噛み合わせ改善噛み合わせがずれていると、肩こりや頭痛、首のこり、腰痛、膝の痛み、手足の冷え、しびれ、便秘、めまい、目の疲れなど、さまざまな全身症状が現れます。そのため、噛み合わせがよくないとすぐに歯を削って調整することがあるのですが、噛み合わせのズレは歯が原因とは限りません。

噛み合わせのズレは、身体の歪みや歯科金属に由来することがあります。まずは噛み合わせの異常の原因を正確に診断し、それに合った治療を行うことが大切です。

歯は一度削ると二度と元には戻りません。安易に削る選択をせず、まずはきちんと原因を究明することから始めましょう。

噛み合わせと密に関係する【身体の歪み】

歯の噛み合わせは、全身のバランスにつながっています。そのため、噛み合わせがずれると身体が歪んだり体調不良に陥ったりすることがあります。逆に、身体が歪んでいるから噛み合わせがずれることもあります。つまり、身体が歪んだまま噛み合わせを調整しても、整体などで身体の歪みを改善したことで噛み合わせがずれることもあるのです。

そのため、大阪の当院ではいきなり歯を削って噛み合わせを調整するようなことはありません。まずは身体全体の歪みやバランスを調整して、正しい身体の位置に戻してから噛み合わせを調整するようにしています。

身体の歪み

<治療方法>
首や骨盤、膝、足首などの歪みを調整します。それにより顎関節の歪みが解消され、噛み合わせの異常が改善されます。

電流や電波を発生させる【歯科金属】

噛み合わせ改善噛み合わせのずれは、身体の歪み以外に金属の詰め物や被せ物が原因ということも考えられます。いわゆる歯科金属由来の噛み合わせの異常ですが、これには大きく2つの原因が考えられます。

口腔内電流噛み合わせ改善
お口の中は常に湿った状態のため、電池と同じ原理で歯科金属が電流を発生させます。この電流のことをガルバニー電流と言いますが、電流が発生すると咀嚼筋が緊張し、本来の位置で噛むことができなくなります。そのため、噛み合わせに異常を感じるようになります。

<治療方法>
歯科金属に帯電した口腔内電流を、オーラルテクター(放電機能付きの口腔内電圧電流測定器)を使って放電します。噛み合わせが改善すると同時に、肩や腰の痛みが取れることもあります。

電磁波噛み合わせ改善
歯科金属は電磁波を集めてくる、ということが多く報告されています。歯に詰められた金属は、パソコンや携帯電話などの電化製品から発生する電磁波のアンテナとなるのです。そのため、身体に不調をもたらし、噛み合わせにも異常をきたします。

<治療方法>
お口の周りにアルミホイルを巻くと、噛み合わせが改善されたと感じることがあります。アルミホイルが電磁波を遮断し、咀嚼筋の緊張が緩和されるからです。

歯科金属を外すノンメタル治療で根本的な解決を

噛み合わせ改善歯科金属由来の噛み合わせの異常を改善するには、金属を使わない歯科材料に換えることが最も根本的な対策です。金属を使わない歯科材料を使う治療をノンメタル治療と言います。

ノンメタル治療では、口腔内にある歯科金属を除去して、セラミックス、樹脂、ハイブリッドセラミックス(セラミックス92%、樹脂8%)、グラスファイバー、ジルコニアなどの、金属を使わない歯科材料に置き換えていきます。

ただ、ノンメタル治療に使われる歯科材料は、さまざまな材料を混ぜて強度や白さを高めるように作られています。そのため、混ぜた材料が合わなくて体調不良になる方もいらっしゃいます。

当院では、生体親和性試験を行い、科学的根拠に基づいて歯科材料をご提供しています。また、身体に一番合っている歯科材料はどれか、事前にバイデジタル・オーリングテストを行って判断し、患者さんとよく話し合った上でベストな治療計画を立てていきます。

●バイデジタル・オーリングテストとはバイデジタル・オーリングテスト
世界40カ国で研究、臨床応用されている技術で、アメリカでは知的特許認可(1993年2月23日)が下りました。また、スウェーデンの医学部では必須科目となっています。「生体にたずねる」「無意識下の反応を見逃さない」この手法は世界で認められつつある、診断・治療を選択する際の新しい基準です。

新しい予防医学 バクテリアセラピー

バクテリアセラピーは「菌を持って菌を制す」という考えに基づき、ノーベル医学・生理学賞審査本部医療機関が開発した新しい歯周病予防プログラムです。

バクテリアセラピー

お口の中の細菌は、大きく3つのタイプに分けられます。身体の役に立つ「善玉菌」、身体に有害な「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌」です。このうち歯周病の原因となるのは悪玉菌です。善玉菌を増やし、悪玉菌の繁殖を抑えるのがバクテリアセラピーです。

バクテリアセラピー

今までの歯周病予防プログラムは、口腔内の細菌を徹底的に除菌することが中心でした。しかし通常の除菌作業では、悪玉菌も減りますが善玉菌も同時に殺菌してしまいます。バクテリアセラピーでは悪玉菌だけを除菌し、代わりに善玉菌を増やすことで、悪玉菌がこれ以上増えないようにします。

免疫力を強化する【L.ロイテリ菌】L.ロイテリ菌
歯磨きや洗口液だけでは、悪玉菌のひとつである歯周病菌を完全に除去することはできません。歯周病菌の温床であるバイオフィルムを破壊するには、抗菌物質を作って内側から破壊する必要があります。その際に活躍するのが、ヒト母乳由来の乳酸菌「L.ロイテリ菌」です。

L.ロイテリ菌は、口腔内の悪玉菌を除去するだけでなく、腸内の菌質を改善して免疫力をアップします。また母乳由来のため、小さいお子さま、妊娠中の方、ご高齢の方なども安心してご使用いただけます。バクテリアセラピーは老若男女どなたでも取り組める、安全な新技術なのです。

更に詳しく知りたい方はコチラ

アンチエイジング(抗加齢)にも効果的

多くの方が歯科医院を利用する理由は、治療もしくはメンテナンスです。大阪にある当院はその一歩先を行く、アンチエイジングレベルの歯科医療をお勧めしています。

アンチエイジング

●デンタルデトックス
●見た目のアンチエイジング
●咀しゃく・噛み合わせ

当院では、医科歯科連携、西洋医学と東洋医学を融合した統合医療を行っています。歯科医療を中心とした統合医療が、美と健康を目的としたアンチエイジングに効果的であることを実感しています。その中でも特に上記の3つがアンチエイジングに非常に大きな効果を表すと考えています。

アンチエイジング

デンタルデトックス
悪玉口腔内細菌、毒性歯科金属、経皮毒といったお口の中の毒を除去することで、アンチエイジングを促します。美容や健康のために、衣・食・住など素材に気をつけている方々はたくさんいらっしゃいますが、これらの毒を身体に入れない努力も大切です。

<お口の中の毒とは?>
悪玉口腔内細菌毒性歯科金属経皮毒

見た目のアンチエイジング
いわゆる審美歯科治療で見た目の若々しさを取り戻します。当院では、身体の中に毒性歯科金属が溶け出さないノンメタル治療をお勧めしています。

●オールセラミックス
オールセラミックスとは、金属を一切使わずにセラミックだけで行う治療のことです。金属を使わないため、歯と歯ぐきの間が変色しません。また、金属アレルギーの心配がないなどの理由から、多くの患者さんに喜ばれています。

オールセラミックス

●ダイレクトボンディング
プラスチックのレジンを直接歯に盛って、色や形を整えます。歯が欠けたときや、歯と歯の隙間を埋めたいときに有効です。1~2回の治療で、歯を削ることなく見た目を整えることができるので、患者さんの負担も少なくて済みます。

ダイレクトボンディング

●テレスコープデンチャー
固定する金具が外から見えないテレスコープデンチャーは、見た目が美しい入れ歯です。はめ込み式なのでしっかりと固定され、食べ物がしっかり噛めるというメリットもあります。また、バネ式のように残った歯に無理な力をかけないので、天然の歯を長く保たせることができます。

テレスコープデンチャー

ジルコニアインプラント●ジルコニアインプラント
従来のチタンなどの金属を骨の中に埋め込むインプラントではなく、当院では金属をまったく使わないジルコニアインプラントだけをご提供しています。当院はスイスの「Z system社」により、ジルコニアインプラントを取り扱う歯科医院として関西初、日本国内においても歯科医院第2号の認定を受けています。

ジルコニアインプラント

●ホワイトニング
ホワイトニングとは、歯を削らずに、歯の表面にホワイトニング剤を塗ることで白くしていく治療法です。ホワイトニング剤には、毎日の歯磨きでは落とせない歯の黄ばみや色素を分解する効果があります。人工の歯ではなく天然の歯を白くするので、仕上がりがとても自然です。

ホワイトニング

咀しゃく・噛み合わせ
きちんと噛むことは、脳に刺激を与えて脳の血流を良くするほか、咀嚼筋を強化してシワやたるみを防止し、唾液の分泌を促して老化防止につながります。また、噛み合わせの異常は、身体の歪みや体調不良と密接に関わっています。

いつまでも若々しさを維持するには、しっかりと噛むことが大切です。咀しゃくと噛み合わせに気をつけ、いつまでも潤いのある健康的な身体を手に入れましょう。噛み合わせがおかしいなと思ったら、大阪にあります当院へご相談ください。

大切なのは歯石ができる前の対策です

歯石は悪者ではありません。歯石は身体の防衛反応として、毒性の強い歯垢から歯周病が体内に入るのを守っているのです。

歯石ができる前の対策

虫歯や歯周病を予防するために、歯石取りを行ったことがある方はたくさんいらっしゃるでしょう。しかし歯石取りは、タイミングを考えずに行うと命を脅かす危険さえ伴います。除菌ができていない状態で歯石取りを行うと、歯肉を傷つけ、その傷からせっせと血管内に細菌を送り込むことになるからです。

これからもわかるように、メンテナンスのベストなタイミングは歯石ができてからではありません。歯石になってから除去したのでは遅いのです。身体が歯石による防衛反応を起こす前に、ぜひメンテナンスを行いましょう。

メンテナンスのタイミング歯石ができる前の対策
まず、歯の表面についた唾液の成分であるペリクルに善玉菌が付着します。さらにその上に悪玉菌がつき、バイオフィルムに覆われるのですが、このバイオフィルムが覆われる前にメンテナンスをするのがベストなタイミングです。遅くとも、バイオフィルムに覆われた時点でケアをしたいものです。

当院の予防歯科についてはこちら 「新しい予防歯科へ」

インフォメーション

06-6841-8217 〒561-0881 大阪府豊中市中桜塚4-7-4 当院までのアクセスはこちら 診療時間 ○平日は午前9:00~13:00 / 15:00~19:00 となります。
◎土曜日は午前9:00~12:00 / 13:00~17:00 となります。
お問い合わせフォーム

お問い合わせフォーム