私達は、ここ大阪の地で、患者さんとともに診療行動を決定していきたいと思っています。
ジルコニアインプラント治療は患者さんの健康や生活に非常に大きなメリットをもたらしてくれると信じていますが、すべての患者さんにとってジルコニアインプラント治療が最善とは限りません。
『もしも、自分にとって身近で大切な人が選択に迫られたときにどうするか』
その視点を常に意識しながら、私達は患者さんの意思決定を支援しています。
私達医療者は、専門家として必要な医学的情報(エビデンス)を把握し、正直にお伝えしなければならないと考えています。
ただ医学的情報(エビデンス)だけでは診療行動は決まらず、患者さんの価値観や費用なども含めて考えなければなりません。
また、医学的情報(エビデンス)が不確かな場合もありますし、最新治療などでは、十分な臨床データが蓄積されていない場合もあります。
ジルコニアインプラント治療も、現時点では、チタンインプラントよりも歴史の浅い治療であるために、大阪のみならず国内でも特に十分な臨床データが無いのが現状です。
『ジルコニアインプラント治療か他の治療法か』
選択に迫られた患者さんは、歯科医療者から説明される医学的情報(エビデンス)や同じような選択に悩んだ他の患者さんの経験、または新聞や雑誌などのメディア情報なども判断材料としてかき集め、それらを取捨選択しながら、最終的には自分の価値判断基準のもとで決断していく場合が多いように思います。
しかし、患者さんにとって、治療方法の選択は必ずしも容易なことではありません。
実際、ジルコニアインプラント治療をご提案する場合にも、患者さんにはさまざまな葛藤があるかと思います。
そのような患者さんの意思決定を私達は支援していきたいと思っています。
治療における最終的な意思決定はあくまでも患者さん中心であるべきであり、医療従事者はあくまでもその「意思決定を支援する」立場であると私達は考えています。
それは個々の患者さんの「思い」に応え、また「利益」となり得ることをお互いに一生懸命考えていこうということでもあります。
すべての患者さんに適応できる絶対的に正しい答えはなかなかわかりませんが、個々の患者さんと真剣に向き合う中で、
『自分たちが納得して決めたことだから、どの選択をしても正解だったと思います。真剣に考えてくれて有り難うございました。』
といううれしいお言葉をいただくことがあります。
これが一つの「答え」なのではないでしょうか。