リアルタイムPCR法
まずは、患者さんの口腔内に存在する細菌の種類を確定します。その際に用いられるのが、無色透明な対象物まで観察可能な位相差顕微鏡を用いたリアルタイムPCR法です。この方法を用いることで、「歯周病を発生させるリスクが最も高い細菌」として知られている、「レッドコンプレックス」と呼ばれる3つの菌(P.g.菌、T.d.菌、T.f.菌)を含む、注意すべき5つの菌種を測定します。
ぺリオプロテクト
注意すべき菌が測定された場合には、「ぺリオプロテクト」によって、悪玉菌だけを選択して除菌します。ぺリオプロテクトは、マウスピースに薬剤を入れて行う除菌法なので、経皮毒的な影響を最小限に抑えることができ、薬剤が口腔内に広がって濃度が薄まってしまうことも防げます。
さらに、ぺリオプロテクトには、「ホームペリオプロテクト」と「オフィスペリオプロテクト」、それら2つを組み合わせて行う「デュアルペリオプロテクト」といった、3つの方法があります。
ホームペリオプロテクトは自宅で寝る前に行う方法で、歯磨き後、家庭での使用が認められている薬剤をマウスピースに入れて5分~10分実行します。オフィスペリオプロテクトは1~3か月ごとに歯科医院で行う方法で、バイオフィルムを除去した後、歯科医院でしか使用できない強めの薬剤を用いて行います。
その他にも、患者さんの口腔内の状況に応じて、世界的に注目されている善玉菌である乳酸菌「L・ロイテリ菌」を移植することで、悪玉菌の繁殖を抑えて免疫力の向上を促す「バクテリアセラピー」や、ペリオプロテクトとバクテリアセラピーを組み合わせた「リプレイスメントセラピー」など、さまざまな方法で、レッドコンプレックスを中心とした歯周病菌を選択的に徹底除去していきます。