アマルガムという合金をご存知でしょうか。アマルガムは、約50%の水銀とほかの金属を混ぜ合わせた合金です。とても安価で作りやすいため、以前は歯科治療の詰め物として多く使われていました。そのため、現在50代以上の方の銀歯は、そのほとんどがアマルガムです。
水銀は、常温でも液体、少し加熱すればすぐ気体になってしまいます。アマルガムの銀歯を使っていると、ごく微量ですが噛むたびに銀歯から水銀が溶け出し、それを呼吸と一緒に吸い込んでしまっているのです。
また現在では、金属の詰め物はほとんどが金銀パラジウム合金となっています。この金銀パラジウム合金なら安全か、と言うと、そんなことはありません。金銀パラジウム合金は重金属を含んでいるため、お口の中で腐食します。そして、長い年月をかけて体内に取り込まれ、身体に悪影響を及ぼすのです。
金属アレルギーが突然発症するかもしれません
歯科金属が及ぼす悪影響の代表的なものが金属アレルギーです。
同じ金属をずっと使用しているうちに、溶け出した金属イオンが身体の中に入ってしまいます。すると、免疫の働きで身体はその金属が異物だと認識します。そして、次に同じ金属に触れたときにアレルギー反応を起こしてしまうのです。
金属アレルギーは、体質や生活習慣によって出る人と出ない人がいます。しかし、今まで金属アレルギーとは無縁だとしても、今後もそうだとは限りません。アレルギーは、ある日突然起こります。実際に、歯の詰め物によって起こる金属アレルギーは、皮膚科医の学会でも問題になっています。